Retina ⅢC


【RETINA ⅢCSPECIFICATIONS

製造メーカー名

発売年

型式

画面サイズ

レンズ

ファインダー

露出

フィルム感度対応範囲

シャッター

シャッタースピード

セルフタイマー

シンクロ接点

フィルム巻き上げ

フィルム巻き戻し

電源

サイズ

重量

販売価格

ドイツコダック社

1958 -1960年

距離計連動式カメラ

36mm × 24mm

Xenon 50mm F2.0

逆ガリレイ式透視一眼二重増合致式距離計連動式ファインダー

セレン式(単独露出計)

レンズシャッター COMPUR

B・1~1/500秒

有り

X接点

レバー式

ノブ式

89×124×45mm (開閉時90mm)

665g


 

作例

 

感想

 レチナⅢCは折りたたみ式カメラでは露出計搭載、レンス交換式という最高級機ということで、高級感があるカメラというのも頷ける質感のカメラです。しかし、この時代後のレンジファインダーという視点からこのカメラを見ますと、露出計は単体露出系となっており、カメラで計測した露出はレンズの鏡胴の露出計目盛りに置き換えなければならず、レンズ交換の際には、50mm専用の距離計の数値を各レンズの距離目盛りの指標部分に置き換えるという仕様になっており。レンズ交換を行った際には、露出と、距離を置き換えるという2つの面倒な操作を置き換えなければなりません。とはいえ、機械式カメラのシステム好きにはそういった処が、堪らない部分かと思いますので、そういった意味では十分に楽しめます。

 

 私はレンズの特性はよくわからないのですが、実際に使用した感想。

 クセノン50mmF2レンズは、よく写るということで有名ですが、色調的には全体的に黄色が強く出て、コントラストも強いです。また、暗部は潰れがちで綺麗な階調は出てくれません。特に室内での撮影した場合にはそれが顕著に感じます。

 

 交換レンズ35mm、80mm共に、50mm レンズよりも大きくなり、 いかつさが増し、そのために利点でもある折り畳みはできなくなります。そのためにレンズ交換したままの状態での移動時には可動部分の繊細な蓋が邪魔になり撮影以外の部分に気を使ってしまいます。結局それらのストレス故に、交換レンズは戸棚の奥にしまわれてしまうということになってしまいます。そうなってしまいますと、消去法で

1)レンズは50mmだけでいいんじゃない?

2)露出計も連動していないし、使いづらいLV方式。

3)露出計が搭載されたことにより、巻き上げレバーが下部に移動。速写性が悪い?!

4)結局50mmレンズ露出計なしのシンプルなレチナでいいんじゃない?!

 

ということになります。

 

 当時はそれでも画期的なカメラだったのでしょうが、同じ時期のカメラAGFA・アンビジレッテと比べると、ファインダーの鮮明さ、ファインダー枠を切り替えすることができ、巻き上げも速写性があり、交換レンズの距離計数値の置き換えのないアンビジレッテの方に軍配が上がります。

 

 

  35mm判レンズ交換式レンジファインダー・カメラであるレチナⅢCは、レチナの代表的な折りたたみ式カメラの最高級機です。レンズ前群交換式とし、描写性能に拘ったカメラ。最高式ファインダーには連動距離計を備えており、ブライトフレームは撮影距離に対応してパララックスを自動補正する。しかし、50mm以外のレンズ交換の際には、距離計で得られた数値を各レンズごとに与え直さなければならず複雑な作業となります。

 

 

 巻き上げはカメラの底辺にあり、レバー式となっており、速写性には優れていません。シュナイダー社から供給されたレンズは,標準レンズのクセノン50mmF2.0、広角のクセノン35mmF5.6、中望遠のクセノン80mmF4の3本が用意されていました。これとは別にローデンシュトック社のヘリゴン50mmF2.0、35mmF5.6、80mmF4の別バージョンも用意されました。


 

 

撮影方法

裏蓋の開閉はカメラの底部の円盤状の金具を矢印の方向に回すことで、小気味よく開閉します。通常のカメラの巻き上げレバーはカメラの上面右肩部に設置されていますが、Retina ⅢCは露出計をその位置に搭載したがために、巻き上げレバーは底部に移動設置されています。
裏蓋の開閉はカメラの底部の円盤状の金具を矢印の方向に回すことで、小気味よく開閉します。通常のカメラの巻き上げレバーはカメラの上面右肩部に設置されていますが、Retina ⅢCは露出計をその位置に搭載したがために、巻き上げレバーは底部に移動設置されています。
フィルムを充填した後フィルムカウンターをセッテイングします。カウンターダイヤルは容易に回らないような工夫が凝らされております。まずは軍幹部上面のカウンター脇の解除ボタンを押し、同時に軍幹部背面のノブを矢印の方向にスライドをさせます。その操作によりカウンターは一目盛り回転しカウンターの◆のマークに合わせます(その後フィルムを巻き上げ、フィルムカウンターを1のところに合わせておきます)。カウンター解除ボタンは不用意に押さないように、しかし押しやすいように創意工夫され半分だけカバーがされています。
フィルムを充填した後フィルムカウンターをセッテイングします。カウンターダイヤルは容易に回らないような工夫が凝らされております。まずは軍幹部上面のカウンター脇の解除ボタンを押し、同時に軍幹部背面のノブを矢印の方向にスライドをさせます。その操作によりカウンターは一目盛り回転しカウンターの◆のマークに合わせます(その後フィルムを巻き上げ、フィルムカウンターを1のところに合わせておきます)。カウンター解除ボタンは不用意に押さないように、しかし押しやすいように創意工夫され半分だけカバーがされています。
カメラ前面の蓋についている金属製の小さい丸いロックボタンをスライドさせ90°開閉させ、カチッとロック音がするまで開けることにより、沈胴しているレンズが前面に迫り出します。
カメラ前面の蓋についている金属製の小さい丸いロックボタンをスライドさせ90°開閉させ、カチッとロック音がするまで開けることにより、沈胴しているレンズが前面に迫り出します。
蓋を折り畳むときには、ヘリコイドを必ずInf(無限遠∞)に合わせレンズの上下の根本についている丸いボタン(緑丸)を押しながらロックを外し、蓋を閉めます。
蓋を折り畳むときには、ヘリコイドを必ずInf(無限遠∞)に合わせレンズの上下の根本についている丸いボタン(緑丸)を押しながらロックを外し、蓋を閉めます。
最初にフィルムのISO感度と露出計の感度を合わせます。その後被写体にカメラを向けメーター針が刺す位置に追針を合わせます。三角の目盛りが刺すEV値を読み取ります。これが適性EV値となり、この値をレンズ下側のレバーでの目盛りに当て嵌め、露出を決定いたします。これによりシャッタースピードと絞りの組み合わせがセットされます。あとは好きな組み合わせを選択し撮影を行います。
最初にフィルムのISO感度と露出計の感度を合わせます。その後被写体にカメラを向けメーター針が刺す位置に追針を合わせます。三角の目盛りが刺すEV値を読み取ります。これが適性EV値となり、この値をレンズ下側のレバーでの目盛りに当て嵌め、露出を決定いたします。これによりシャッタースピードと絞りの組み合わせがセットされます。あとは好きな組み合わせを選択し撮影を行います。
少しマゼンタがかった色調のレチナⅢCのファインダーは見やすいですが、二重像は縁は曖昧で、面積が広いです。他社のように二重像の縁を使い縦状のズレを確認する方法は行いにくく、面で二重像を合わせる感じです。ファインダー枠は80mm用、50mm用、フレームいっぱいの枠が35mm用となります。
少しマゼンタがかった色調のレチナⅢCのファインダーは見やすいですが、二重像は縁は曖昧で、面積が広いです。他社のように二重像の縁を使い縦状のズレを確認する方法は行いにくく、面で二重像を合わせる感じです。ファインダー枠は80mm用、50mm用、フレームいっぱいの枠が35mm用となります。

 レチナⅢCのファインダーのイメージ図。少しマゼンタがかった色調のレチナⅢCのファインダーの2重像は面積が広く見やすいですが、二重像の縁は曖昧です。他社のように二重像の縁を使い縦状のズレを確認する方法は行いにくく、面で二重像を合わせる感じです。ファインダー枠は80mm用、50mm用、フレームいっぱいの枠が35mm用となります。

 

 ファインダーには3つの画角枠が常に存在しパララックス自動補正も行われます。35mm枠は実際にはファインダー窓いっぱいで、覗く角度がズレると枠の一部が蹴られてしまい視認しづらいです。

 

フィルムを巻き戻すときにはカメラの底部の巻き上げレバー脇についている巻き戻しボタンを押し、フィルム巻き上げノブを上方に引き上げ巻き戻しノブを回しフィルムを巻き戻します。
フィルムを巻き戻すときにはカメラの底部の巻き上げレバー脇についている巻き戻しボタンを押し、フィルム巻き上げノブを上方に引き上げ巻き戻しノブを回しフィルムを巻き戻します。
 標準レンズはXenon 50mm F2。交換レンズはXenon 35mm F5.6、Xenon 80mm F4.0。レンズ構成図の後方2群3枚はボディに残し、前方部のレンズだけが交換されるシステム。図からもわかるように交換レンズは50mmのレンズよりも長く大きいので、利点でもある折りたたみ式の蓋が折り畳むことができなくなる事は、欠点となります。
 標準レンズはXenon 50mm F2。交換レンズはXenon 35mm F5.6、Xenon 80mm F4.0。レンズ構成図の後方2群3枚はボディに残し、前方部のレンズだけが交換されるシステム。図からもわかるように交換レンズは50mmのレンズよりも長く大きいので、利点でもある折りたたみ式の蓋が折り畳むことができなくなる事は、欠点となります。

 交換レンズができるということだけでついつい飛び付きがちであるが、実際にレンズ交換をしてみると、利点でもある折り畳みはできなくなり厳つさ(いかつさ)の方が増し、突如取利回しが悪くなります。

 

 このカメラには3つの距離計が存在します。一つは50mm用の距離計で鏡胴の通常の位置に存在します。後の二つは鏡胴の下側(裏側)に35mm、80mm用の色分けされた距離計が存在します。
 このカメラには3つの距離計が存在します。一つは50mm用の距離計で鏡胴の通常の位置に存在します。後の二つは鏡胴の下側(裏側)に35mm、80mm用の色分けされた距離計が存在します。

 このカメラには3つの距離計が存在します。1つは50mm用の距離計で鏡胴の通常の位置に存在します。(基本的には50mm用ですが、全てのレンズで使用します。)。後の2つは鏡胴の下側(裏側)に35mm用(白い目盛り)、80mm用(黒い目盛り)の距離計が存在します。

 

 レンズの付け根下部のエプロン部には「⊥」、「∇」の記号が刻まれています。「⊥」は80mmレンズ用の距離計の指標で、「∇」は35mmレンズ用の距離計の指標です。使用方法とは、ファインダーを通常通り覗き50mm用の距離計で被写体距離を測ります。そこで出た距離計の数値を、35mmレンズの場合には35mmの白い距離目盛を「∇」の指標部分に置き換え、80mmレンズの場合には80mmの黒い距離目盛を「⊥」の指標部分に置き換えシャッターをきります。

 

 撮影に集中している時こそこの作業を忘れがちで撮影タイミングを逃すことがあり、撮影は非常に煩わしくストレスのある作業となります。交換レンズを使用した場合にはスナップ撮影にはなかなか難しく、風景撮影や、動かない被写体の撮影向きとなります。

 

KODAK Retina ⅢCのパンフレット

 

KODAK Retina ⅢC

の当時の海外の広告


 

世界ヴィンテージ・カメラ大全

東京書籍

根本泰人/季刊analog 著


Kodak RETINA ⅢC(大窓)の使用説明書


 

参考文献

・イーヴォル・マータンリー著:田中長徳 監訳 加藤功泰 訳:クラシックカメラ その集め方と使い方 株式会社アルファベータ

 

・「ヴィンテージカメラセレクション」別冊ステレオサウンド1999年

 

・根元泰人/季刊 analog 著:世界ヴィンテージ・カメラ大全  東京書籍

 

 

 参考サイト

レチナWikipedia

レチナのウィキペディアです。

 


〜 タバスコとシナモン 〜    カメラと写真・朽木鴻次郎

第二次世界大戦とレチナの関係を描いた興味深いサイトです

 


Field Cameraman Note  「カメラ談義」

フィールドカメラマンさんは野外に出て、主に海、川、湖など水辺の人々の暮らしの成り立ちと景観の意味を撮り続けています。このページでは堅苦しい芸術論や写真の学術性について述べるのではなく、今まで使ってきたカメラやレンズのよもやま話をアマチュアやこれから写真を始める人、技術者や研究者でカメラの知識の必要な人々に写真雑誌とは違う、あくまで使う者の視点で伝えたいというサイトになっています。
 

 





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