VITESSA 


 

 VITESSA 】SPECIFICATIONS

製造メーカー名

発売年

型式

画面サイズ

レンズ

ファインダー  

ファインダー倍率

露出計  

フィルム感度対応範囲

シャッター 

シャッタースピード

セルフタイマー

シンクロ接点 

フィルム巻き上げ

フィルム巻き戻し

電源

サイズ

重量

販売価格

 

日本の大卒初任給

 Voigtlander

1950年

35mmレンズシャッター、連動距離計付カメラ

36mm × 24mm

Ultron f;2、 COLOR-SKOPAR f:3.5

1眼式距離計連動(ビューファインダーおよびレンジファインダー)

0.6倍、

コンバーラビット 

B 1 1/2 1/5 1/10 1/25 1/50 1/100 1/250 1/500

 

MX接点

コンビプランジャー(ブランジャー押し下げ、セルフコッキング)

底蓋折たたみ式クランク巻戻

145 x 69 x 36.5ミリ(撮影時)、43(格納時)

重量:650グラム

不明(およそ57420円ぐらいと思われる) アメリカ価格159.5ドル 1954年当時1ドル(360円)

カメラケース $10.50

8700円


 

作例

感想

Voigtlander(ドイツ)は、VITESSAを製作し1950年にアメリカ向けに先行発売しました。1950年と言われても私の生まれる以前の話なのであまりピンときませんが、特筆するべき点が多々あるカメラです。もちろん当時のカメラはバルナック式ライカ、もしくはそのライカのコピー物が主流でした。フィルムの巻き上げはもちろんノブを巻き上げる方式です。その点このカメラはプランジャー(煙突のような棒)を押し下げることで、フィルムの巻き上げ、シャッターチャージを同時に行うという機構になっております(レバー巻き上げのM3の発売は1954年ですし、当初のM3は2回巻き上げでした)。また、VITESSAのピント合わせは、このカメラ独自のフォーカスホイールで親指で操作し行います(この機構は1957年に発売される「FUJICA 35-M」に取り入れられています)。VITESSAでは当初手動式ではありますが、ファインダーにパララックス機構を搭載したカメラでありライカや、コンタックスよりも先に取り入れられた機構でありました(初期モデル以降は自動パララックス補正機構になっています)。さらにフォクトレンダー社のこだわりは。フィルムの圧板部にも見られ、プランジャーを押し下げるとフィルムが巻き上げられるが、フィルム圧板は解放されプランジャーから指を離すとフィルム圧板はフィルムに圧を与え平面性を出そうという機構になっています。この機構は初期のモデルだけに見られ、後にはその機構は省略されているという話を何らかの本で読んだことがありますが、その文献は見つけることができませんでした。とにかくVoigtländer社はカメラ業界、ユーザーをアッと驚かせたかったに違いありません。そんな意欲の見えるカメラです。

 

 とにかくこのカメラを持って感じるのは質感が良いということです。仕上げが良いカメラというのは手触りで感じることができ、その感触を味わうことのできるカメラはそうそう多くありません。Voigtländer(この社の後期に製作されるカメラのメッキ、質感等はあまり良くありません)Laica M、Konica Ⅰ・Ⅱ、ROBOT Royal、等のような質感です。またデザインも素晴らしいです。私のVITESSAには初期のホットシューがないタイプですが、これはデザインにこだわるあまりホットシューを付けなかったのではないかと想像できます。しかし、真相はわかりません。アクセサリーとして軍幹部に被せ式のホットシューがありますが、これをつけると軍幹部にスレを付けてしまいますので、それが嫌な人は、最初からホットシューがついているバージョンのものを購入することをお勧めいたします。また気をつけたいのが、私のVITESSAには吊り環がありません。首からぶら下げるのであれば、吊り環が付いてあるタイプか、革ケースが付属しているカメラの購入をお勧めいたします。この辺の細かいところは「僕らクラシックカメラ探検隊 フォクトレンダー」に記載されていますので調べて購入したほうがいいと思います。

 

 写りに関しては下記にRollei 35T との撮り比べを記してありますのでそれを参照にしてください。

Lens

ULTRON 50mm F2
ULTRON 50mm F2


 ULTRONはフォクトレンダーを代表するレンズの一つで、このカメラにはじめてULTRONが搭載されました。VITESSAには、ULTRON F2, COLOR-SKOPAR F2.8, COLOR-SKOPAR F3.5の3本のレンズが搭載されているタイプがあり、どれも魅力的なレンズです。ULTRONについては他のサイトM42 Spiralに詳しく記されていますので、ぜひ訪れてみてください。

 

 VITESSA(ウルトロン 50mm F2)とローライ35(テッサー 40mm F3.5)の撮り比べをしました、レンズの構成からいうと本来ならばVITESSA(カラースコパー)との比較写真か、ガウスタイプのレンズが搭載されているカメラの比較写真が適切なのかもしれませんが、たまたま鞄に入っていたカメラがこの2つでしたので、なんとなくチグハグな撮り比べとなってしまいましたが、そこはおおらかに見ていただければと思います。

(T)はRollei 35(テッサー 40mm F3.5)の略。

(U)はVITESSA(ウルトロン 50mm F2)の略。

 

(T)は(U)に比べて全体的にコントラストが高く、この傾向は1〜5の写真に同じような傾向が見られます。一般的にRollei 35(テッサー 40mm F3.5)はシャープで写りが良いと言われますが、それはコントラストが他のレンズよりも高く、解像度が高く見えるせいなのかなと思います。ここで注目していただきたいのは、「5」の写真でフォーカスは参拝者に合わせてあります。「5−2」背景等は他の写真と同じ傾向の写りですが、フォーカスの合わせた参拝者の描写は解像度、描写に大きな違いを見せたことでした。こう言った描写の違いを見るとRollei 35Tよりも多少大きくはなりますがVITESSAを持ち歩きたくなります。

フィルムの充填

 フィルムの装填については下記にある使用説明書を読んでいただければ解ります。裏蓋を閉じる前についつい忘れがちなのが、フィルムカウンター、フィルムインジケーターの設定です。使用説明書のようにフィルムをカメラにセットしたら、まずフィルムカウンター機構とフィルムをセットし、裏蓋を閉めます。手順は以下の通りです。フィルムを所定位置に保持し、カウンターディスクを回転させて、♦︎ マークがインデックスラインの隣に来るまで回します。フィルムインジケーターを回転させて設定します。

 

 

 

フィルムインジケーター

  1950年頃のフィルムと現代のフィルムとでは色々と変わってきましたので、VITESSAに表記されているASA感度は100が最高ですので、現代ではあまり役の立つインジケーターではないかと思います。

参考までに

N    (N)   = 白黒ネガフィルム

U    (R)   = 白黒リバーサルフィルム

 

NK (NA) = 人工光用カラーネガフィルム

NT (ND)  = 昼光用ネガカラーフィルム

T    (D)    =  昼光用リバーサルカラーフィルム

K   (A)     =  人工光用リバーサルカラーフィルム

となります。

 

 

 

フィルムカウンター

カウンターディスクを回転させて、♦︎ マークがインデックスラインの隣に来るまで回し設定します。

 

フィルム圧版について

 カメラの裏蓋を外し、ボディ側のフィルムレールの上方に小さな四角い突起物があります。これはプランジャーを押している最中にはフリーとなります。プランジャーが上方にあがるとこの小さな四角い突起物は下方に下がりロックされます。

裏蓋の圧板の上方にも四角い突起物があり、ボデイ側の四角い突起物と連携されていることが理解できます。そしてこの突起物を押し下げると圧板が持ち上がりフィルムをボディに密着させる機構になっています。すなわちプランジャーを押し下げるとボディ側の四角い突起物はフリーになり、それに押し下げられている圧板側の四角い突起物もフリーとなりフィルムを押し付けていた圧板は裏蓋側に戻ります。その最中にフィルムは巻き上げられます。プランジャーから指の力を抜き元にプランジャーが上方に戻るとボディ側の四角い突起物は下に出てきてロックされ。圧版側の四角い突起物を下方に押し込み圧版は浮き上がりフィルムをボディのフィルムレールに押し当てフィルムの平面性を維持しようという凝った機構となっています。

 

ここは何かの本で読んで空思えですが、その本ではプランジャーを押し下げるとフィルムをボディ側に引き寄せる機構があると書かれていたような記憶があります(覚え間違いかもしれない)理論上は同じかもしれませんが、機構上ではフィルムを引き寄せるのではなく、上記の理由によりフィルムを押し付けるという表現の方が正しいと思っています。

 

しかし、何故にこのような複雑な構造にしたのか?というところですが、何となくフォクトレンダーは何事にも真面目に難しく(理屈っぽく)考える傾向があるような気がします。(こういう所がカメラ好きなマニアの気持ちを掴むところです)

 

このような機構を取り入れた考えられる理由としては、

1)通常のカメラのように圧版の裏に板バネを設けて常にフィルムに圧をかけるというシンプルな方法があります

  が、この機構だと、裏蓋を上下にスライドさせて取り外すという構造上圧板の裏に板バネがあり圧板が飛び出て

  いると、圧板がひっかり裏蓋をうまく装着ができない。

2)常にフィルムに圧をかけているとゴミ等がフィルムと圧板の間に入った場合常に線状の傷が付く恐れがある。

 

おそらく1)の問題点が大きかったのではないかと想像ができますが、この構造を設けたの真意は判りませんが、とても興味深く真面目にカメラに取り組んでいた会社だったのであろうと想像がつきます。

 

※ 「僕らクラシックカメラ探検隊 フォクトレンダー」の書籍のP16には以下のことが書かれていました。

他に、ヴィテッサ特有のメカニズムとしては、巻き上げ時のフィルム圧板退避機構がある。これは、巻き上げの最中にフィルムに傷がつかないように工夫した機構で、巻き上げ棒を押し下げると、圧板が斜め上方に持ち上げられてフィルムとの間にすき間ができるようになっている。巻き上げが終了すると、すぐに強くフィルムを押さえつけて位置のズレを防止している。

 

ということで、2)の理由ということが真相のようです。

 

 

ゾーンフォーカスによる撮影

ホーカスホイールは被写界深度、ゾーンフォーカスを見る上で直感的に判りやすく優れたシステムです。以下は使用説明書からの抜粋となります。

 

レンジファインダーでピントを合わせると、フォーカスホイールと共にフォーカススケールも回転します。スケールの上、半円形の被写界深度インジケーターの中央にある▼のインデックスマークの先端が、正確なピント距離を示します。番号のない目盛りについては、使用説明書の34ページで説明しています。

 

フォーカススケールには、レンジファインダーを使用せずに、スナップ写真やアクションショットを撮影するための特別な2つの目盛りもあります。スケールを△マーク(約3メートル)に設定すると、約8フィート(2.4m)から15フィート(4.5m)までの範囲がシャープになり、Oマーク(約5メートル)に設定すると、15フィート(4.5m)から無限遠までの範囲がシャープになります。ただし、レンズをf8まで絞る必要があります。絞りと被写界深度に関する詳細は、使用説明書の34ページも参照してください。



1955年当時の広告
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参考文献

僕らクラシックカメラ探検隊

フォクトレンダー

Voigtlander

発行:オフィスへリア

 

クラシックカメラ劇場

西ゆうじ著

主婦と生活社

 

ノスタルジックカメラ

マクロ図鑑

株式会社ネコ・パブリッシング



 

別冊ステレオサウンド

ヴィンテージカメラ

Stereo Soundセレクション

 

カメラレビュー

クラシックカメラ専科

No. 25

 

カメラレビュー

クラシックカメラ専科

No. 66



 

クラシック キャメラマニアル

Vol.4 Voigtlander Vitessa

nostolgie analogue 刊



 

VITESSA GUIDE

発行:FOCAL PRESS 



VITESSA の使用説明書





 

参考サイト